よく「1ヶ月で10kgの減量に成功!」という夢のようなダイエット法を目にします。短期間で結果を出したい気持ちはよくわかりますが、その方法で本当にダイエットに成功したと言えるのでしょうか。
短期間で減ったのは体脂肪でない?
蓄えてしまった体脂肪1kgを減らすには、約7000kcalを消費する必要あります。7000kcal分を食事で減らすか、運動で消費しないと減らないというわけです。
たとえば1ヶ月10kg減らすには、1日あたり約2330kcalを減らさなければならない計算になります。1日の食事が1800kcalとすると、毎日絶食しても達成できませんし、運動にしてもジョギング約5時間分(体重60kgの場合)に値します。これはちょっと現実的ではありません。
でも現実に「1ヶ月に10kg痩せる」というダイエット法は存在します。なぜそんなことが可能かというと、急激な減量の場合そのほとんどが体脂肪ではなく、多くはカラダの水分が抜けたことによる体重減少なのです。水分はカラダの60~70%を占めます。
体重50kgの人であれば30kgが水分ですので、短期間に大幅に減量することが可能です。 ですが、どれだけがんばって短期間で痩せても、水分はすぐに元に戻ってしまいます。
肥満とは「体脂肪が必要以上に増えてしまった状態」のことですので、水分ではなく体脂肪を減らさなければ意味がありません。
理想のダイエットの減量ペースは1ヶ月に体重の5%以内です。体脂肪を1ヶ月に1kg減らすためには、今よりも1日あたり233kcal減らせば達成できます。これなら無理のないペースです。
体重だけを見て結果を急ぐのではなく、確実にカラダが変わるダイエットを目指しましょう。
正しいダイエットはリバウンドしない
ダイエット中の悩みでよく聞く「リバウンド」。リバウンドは、食事の量を極端に減らした結果起こる現象です。 人間のカラダにはホメオスタシス(恒常性維持)という機能があって、どんな状態でも体温や栄養代謝を一定に保つようにできています。
たとえば、1日1800 kcal 必要な人が、900kcalに食事を制限した場合、カラダは「必要なエネルギーが入ってこない!大変だ!」と一時的に飢餓状態に陥ります。
ここで、前述したホメオスタシスが働きます。どんなに少ない食事でも、そこからたくさんの栄養をカラダに取り込み、いつもと変わらない活動ができるように働くのです。
その状態で、通常の食事量に戻すと、あっという間に元の体重以上にもどってしまう…これがリバウンドの原因です。 やみくもに食事量を減らすだけのダイエットは長期的にみると良くないことだらけです。
最後のダイエットにするために
食べないダイエットで辛いリバウンドを繰り返さないためには、自分のこれまでの習慣を変えることが必要です。
短期間の体重減少だけを目的にせずに、時間をかけて太らない食習慣を身につけることを目的にしましょう。
食べても太らない「かしこい食べ方」が身につけば、素敵なレストランでコース料理を楽しむことだってできるし、お酒やお菓子を楽しむことも怖くなくなります。