筋トレはこれまで様々な研究によって、効果的な方法が確立されています。プログラムの組み方や負荷設定など、筋トレの正しいポイントをご紹介いたします。
8〜10回の反復が限界となる比較的高負荷で行う
数々の研究結果をまとめたレビューによると、筋トレは、8〜10回が限界となる負荷(8〜10RM)で行うと、最も効率良く筋肥大効果が表れるとされている。これは反復できる最大重量の約75〜80%に相当する。このレベルの負荷で行うことが筋トレの基本。20回や30回反復できるような低負荷・高回数で行うと、筋肥大効果を得るには効率が悪くなる。逆に、8〜10RMより高負荷·低回数で行う場合は、反復回数が減少することによって、運動のボリュームが小さくなるため、筋肥大効果も低くなる。
ひとつの種目を複数セット行う
筋トレは、ひとつの種目に対し、1セットだけでなく、複数セットで行うことが基本となる。複数セット行うことによって、運動のボリュームが大きくなり、筋肥大効果も高くなる。セット数は、3セットが基本的な目安となる。
反復できなくなる限界の回数まで行う
高い筋肥大効果を得るためには、 限界の回数まで行うことが必須となる。筋トレを行う際、 あらかじめ「○○回まで」などと回数を決めて行うのは典型的な誤り。「反復できなくなる回数」が、その人にとっての「適正回数」となる。毎セット限界まで行うのがキツいという人は、最終セット(基本的には3セット目)で限界がくるように調整しても良い。筋トレは、重さや回数よりも、余力を残さず限界まで行うことのほうが重要である。
セット間のインターバルは短めに1〜3分程度
セット間のインターバルは、短めの1〜3分程度が最も効果的であり、筋肥大を誘発する無酸素性代謝物の蓄積が大きくなる。インターバル時間に対する成長ホルモン分泌を検証した実験では、3分間のインターバルより、1分間のインターバルのほうが効果的との結果が見られた。ただし、インターバルが短すぎると、疲労の回復が追いつかず、以降のセットで反復できる回数が減ってしまうため、注意が必要となる。
反動や他部位の力を使わず関節をフルレンジで動かす
筋肉は、長く伸びたストレッチポジションで収縮するほど、筋肥大を誘発する筋損傷が起こりやすい。筋トレは、怪我をしている場合などを除けば、関節可動域を極力広く動かすこと(フルレンジ)が基本。動作中に反動や他の部位の力を使うと、筋肥大効果は低くなるが、最後の力を絞り出す追い込みで反動を使うチーティングは有効。
大筋群を動員する多関節種目を中心に行う
ひとつの関節だけを動かす筋トレ種目を「単関節種目」とよぶのに対し、複数の関節を動かす種日を「多関節種目」とよぶ。多関節種目は単関節種目より、筋体積の大きい大筋群が動員されるため、筋肥大効果の高いトレーニングが可能となる。また、多関節種目は、大筋群とともに小筋群も鍛えられるため、単関節種目より多くの筋肉を強化できる。